心拍数が早いとき
心拍数とは心臓が1分間に拍動する回数を表しており、脈拍数とは頸動脈や、上腕動脈、手首の橈骨動脈などの末梢で測定できる脈のことを表します。一般的には心拍数と脈拍数は一致しますが、期外収縮や心房細動などの不整脈があると拍出される血液量に差が出るため、実際心拍出があっても末梢で触れることができなければ、心拍数と脈拍数がずれてきます。
一般的な心拍数
一般的な安静時の心拍数は60-100回/分とされています。
100回/分以上が頻脈になります。
頻脈の疾患
心房細動
頻脈で多いものとしては心房細動です。文字通り心房が細かく震えることで心拍数が速くなってしまいます。詳細は心房細動の項目で説明しておりますが脳梗塞の原因となりうるため早期発見することが大事になります。
期外収縮
期外収縮でも心拍数が増加します。期外収縮には上室性期外収縮と心室性期外収縮があります。これらが多い時は何かしらの疾患が隠れている可能性が多いため、ホルター心電図や冠動脈CT、MRIなどで基礎疾患の精査を行います。
発作性上室性頻拍や心房粗動など
突然早くなった場合には発作性上室性頻拍や心房粗動などの頻脈性の不整脈の可能性があります。この場合は突然発症して、突然もとに戻ることが特徴的です。アブレーションの適応になることがあるため動悸時に心電図を行って、不整脈の確定診断をつけることが大事になります。
洞性頻脈
もともとの洞調律が早くなった場合を洞性頻脈と呼びますが、甲状腺機能亢進症があると心臓を興奮させるホルモンが多くなり持続的に脈が速くなってしまいます。この場合には基礎疾患である甲状腺の治療が優先されます。また夏場などでは脱水があると循環血漿量低下を補うため心臓は心拍数を上げて心拍出量を保つようにします。この場合には水分摂取を行うことで改善を目指します。