エビデンスに基づく心不全加療が必須
🫀HF STATS 2025: 心不全の疫学とアウトカム(HFSA報告)
“HF STATS 2025: Heart Failure Epidemiology and Outcomes Statistics” は、米国心不全学会(Heart Failure Society of America; HFSA) による2025年版の包括的な統計レポートになります。本報告は、心不全(Heart Failure; HF)の疫学、死亡率、罹患率、入院・治療実態、医療費負担の動向をまとめており、心不全対策・医療政策・啓発に不可欠なデータなども記載されています。
📈 心不全の現状(米国)
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約 670万人 の20歳以上のアメリカ人が心不全を患っています。
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心不全の 生涯リスクは24% であり、4人に1人 が一生のうちに心不全を発症すると推計されます。
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心不全が関与した死亡数は 425,147人(2022年) で、全心血管死亡の 45% を占めています。
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心不全入院は増加傾向にあり、2021年には約 120万件 の初回入院が報告されました。
📅 将来推計
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心不全患者数は今後さらに増加し、
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2030年:約870万人
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2040年:約1,030万人
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2050年:約1,140万人
と予測されます。
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⚠️ リスク要因と健康格差
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肥満、糖尿病、高血圧、慢性腎疾患などの 循環器–腎代謝リスク が心不全の大きな危険因子です。
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人種・民族間で死亡率や発症率に差があり、黒人、アメリカ先住民、アラスカ先住民 の心不全による死亡率が特に高く、若年層での増加も顕著です。
💊 治療とギャップ
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診療ガイドラインで推奨される薬物療法(GDMT)の適切な実施には大幅な改善の余地があり、
推奨される心不全加療を受けている患者は4分の1未満 です。これは最適化されれば 世界で年間約119万人の命を救う可能性 があります。
💰 医療費負担(経済的インパクト)
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2020年の心不全関連費用は、
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直接医療費:約320億ドル
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間接費用:約140億ドル
と推定されています。
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将来の総費用はさらに増加し、2050年には最大約8,580億ドル規模に達する可能性 があります。
📌 報告書の意義
この報告は、心不全の現状と将来の負担を定量的に示すことで、
✔ 予防・早期診断の重要性
✔ 有効治療の普及促進
✔ 医療資源配分・政策立案
に向けた重要な指標を提供しています。
心不全の加療は年々進歩しています。薬物療法も進化していますがそれを知らないで治療を受けていないがために心不全を早期に発症して予後が不良になる方が多くいます。そのためにもしっかりとした初期の診断と治療を受けていきましょう。


