コーヒーって心臓にいいの??
☕ コーヒーと心臓の健康について
― ブラックコーヒーは体にいい? ―
「コーヒーは心臓に良いの?悪いの?」
こうしたご質問をよくいただきます。
最近発表された大規模な研究で、
コーヒーの飲み方によって、心臓への影響が違うことが分かってきました。
コーヒー摂取と心血管疾患リスク
― 無糖・砂糖入りコーヒーの違い ―
1.背景
コーヒー摂取はこれまで多くの研究で心血管疾患(CVD)リスク低下と関連することが示されてきました。
しかし、「無糖」「砂糖入り」「人工甘味料入り」を明確に区別した解析は限られていました。
本研究[1]は、コーヒーの甘味の違いに着目し、CVD発症リスクとの関連を前向きに検討した点が特徴です。
2.研究概要
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研究デザイン:前向きコホート研究
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対象:心血管疾患・がん既往のない成人(約17万例規模)
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追跡期間:中央値 約7年
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評価項目:総心血管疾患、冠動脈疾患、心不全、脳卒中
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曝露因子:
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無糖コーヒー
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砂糖入りコーヒー
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人工甘味料入りコーヒー
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3.主な結果(心臓中心)
① 無糖コーヒー
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1〜3杯/日で心血管疾患リスクが有意に低下
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摂取量増加に伴いリスク低下が続き、
冠動脈疾患・心不全では明確なU字現象を認めませんでした -
最大で1日5〜6杯までリスク低下が持続
👉 心血管保護効果が最も一貫していた
② 砂糖入りコーヒー
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少量〜中等量(1〜3杯/日)ではリスク低下傾向
-
ただし無糖コーヒーより効果は弱い
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多量摂取では有意なリスク低下を認めにくい
👉 砂糖添加により心血管ベネフィットが相殺される可能性があります
③ 人工甘味料入りコーヒー
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心血管疾患リスクとの明確な関連を認めず
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信頼区間が広く、結論は限定的でした
4.論文を参考にした表
図1.コーヒー摂取量と心血管疾患リスク
| 摂取量 | 無糖 | 砂糖入り | 人工甘味料 |
|---|---|---|---|
| 0杯 | 1.00 | 1.00 | 1.00 |
| 1杯 | ↓ | ↓ | ↔ |
| 2–3杯 | ↓↓ | ↓ | ↔ |
| 4–5杯 | ↓↓ | ↔ | ↔ |
| 6杯以上 | ↓〜↔ | ↔ | 不明 |
※ ↓:リスク低下、↔:有意差なし
5.最近の関連論文との比較
● 大規模メタ解析(2014年)[2]
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36コホート・約130万人
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3〜5杯/日でCVDリスクが最も低い
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J字/U字型の非線形関係を報告
👉 本研究[1]は
「無糖コーヒーではU字が弱く、量依存的低下が続く」点が新しい
● 欧州前向きコホート研究(2022年)[3]
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コーヒー摂取は
冠動脈疾患・心不全・全死亡リスク低下と関連 -
ブラックコーヒーで効果が最も明瞭
👉 甘味を区別しない従来研究を甘味別に細分化したのが本研究[1]
● 砂糖入り飲料とCVDリスク(Am J Clin Nutr 2024)[4]
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砂糖入り飲料の摂取は肥満・糖尿病・CVDリスク上昇と関連
👉 本研究[1]で
砂糖入りコーヒーの効果が弱い理由を支持
6.考えられる機序(心血管視点)
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コーヒー成分(クロロゲン酸・ポリフェノール)
→ 抗酸化・抗炎症作用
→ 血管内皮機能改善 -
インスリン感受性改善による動脈硬化抑制効果
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砂糖添加
→ 血糖・体重増加を介し、心血管ベネフィットを減弱
7.臨床的メッセージ
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ブラックコーヒー(無糖)1〜3杯/日は
心血管疾患予防の観点から最も妥当 -
砂糖入りコーヒーは
「飲まないよりは良いが、無糖に劣る」 -
人工甘味料入りコーヒーの心血管影響は
現時点では結論不十分 -
8.まとめ
- 無糖コーヒーは冠動脈疾患、心不全を含む心血管疾患リスクを用量依存的に低下させて、砂糖を入れることはその効果を弱めてしまう可能性が示唆されました。
ブラックコーヒー朝や仕事中に飲むのはいいのではないでしょうか。その際できれば砂糖なしがよいかもしれませんね。
コーヒーと疾患は昔から交絡因子といってコーヒー飲む方は喫煙者が多いなど他の因子が絡んでいることが多いので公衆衛生ではよく問題になっていました。
今は喫煙者は減ってきていますがほかにも交絡因子は絡んでいる可能性はありますね。
自分も今、診察前ですが、ブラックコーヒー飲みながらこの記事を書いています。無理に飲む必要はないですが飲むならブラックがお勧めです!
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参考文献


