コーヒーは認知症予防になる?
近年、「コーヒーは認知症予防に良いのでは?」という話題を耳にすることが増えました。
米国の主要医学誌 JAMA に掲載された最新の大規模研究では、コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスクとの関連が、最大43年間にわたり検討されました。
Coffee and Tea Intake, Dementia Risk, and Cognitive Function. JAMA. 2026 Feb 9:e2527259.
🔎 研究の概要
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対象:米国の男女 131,821人
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追跡期間:最長43年(中央値36.8年)
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新規認知症発症:11,033例
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2~4年ごとに食事内容を繰り返し評価
認知症だけでなく、
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主観的認知低下(「最近物忘れが増えた気がする」などの自覚)
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客観的認知機能検査(電話による神経心理テスト)
も評価されました。
☕ 主な結果
① カフェイン入りコーヒー
最も多く飲んでいるグループは、
認知症リスクが約18~19%低下していました。
特に、1日2~3杯程度が最もリスクが低い
という「ほどよい量」で効果が最大でした。
それ以上飲んでも、追加の大きなメリットはみられませんでした。
② 紅茶
紅茶も同様に、
1日1~2杯程度で認知症リスク低下
が確認されました。
③ デカフェ(カフェインレスコーヒー)
👉 認知症リスク低下との関連は認められませんでした。
このことから、カフェインが重要な役割を果たしている可能性が示唆されます。
🧪 なぜカフェインが良いの?
考えられているメカニズムは:
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アミロイドβの蓄積を抑制
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神経炎症の抑制
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抗酸化作用
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血管機能の改善
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インスリン感受性の改善
つまり、
🧠 神経保護作用+血管保護作用
の両面から働く可能性があります。
📊 効果の大きさは?
認知機能検査では、
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コーヒーを多く飲む人は
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認知機能スコアがわずかに高い
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約0.6年分の認知機能低下に相当する差
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という結果でした。
👉 「劇的に効く」というよりも
長期的にじわっと効く可能性がある、というイメージです。
🎯 ポイントまとめ
✅ コーヒー・紅茶の適度な摂取は認知症リスク低下と関連
✅ ベストは
☕ コーヒー 2~3杯/日
🍵 紅茶 1~2杯/日
(カフェイン約300mg程度)
✅ 飲みすぎても効果は増えない
✅ デカフェでは効果は確認されず
⚠ 注意点
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観察研究であり、「飲めば必ず防げる」という証明ではありません
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睡眠障害・不安症状・不整脈がある方は過剰摂取に注意
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夕方以降の摂取は睡眠の質を下げる可能性あり
🏥 当院からのメッセージ
認知症予防で大切なのは、
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🏃♂️ 運動習慣
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🥗 バランスの良い食事
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💤 良質な睡眠
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🫀 血圧・糖尿病管理
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🚭 禁煙
そのうえで、
「適度なコーヒーや紅茶を楽しむこと」は無理なく続けられる生活習慣の一部として有望
と考えられます。
日常の一杯が、将来の脳の健康につながるかもしれません。


