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フィネレノンが「慢性心不全」に適応追加されました

心不全  / 糖尿病  / 腎不全

2025年12月22日、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であるフィネレノン(商品名:ケレンディア)が、慢性心不全に対する適応追加承認を取得しました。

フィネレノンはこれまで、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)の治療薬として使用されてきましたが、今回の承認により、慢性心不全の治療にも使用できるようになりました。


心不全診療ガイドラインでの位置づけ

2025年改訂版心不全診療ガイドラインでは、フィネレノンは以下の心不全に対する薬物治療として、使用を考慮すべき治療(推奨クラスIIa)とされています。

・左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF:LVEF 50%以上)
・左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF:LVEF 41~49%)

今回の適応追加により、ガイドラインで推奨されていた治療が実際の診療で正式に使用可能となりました。


効能・効果

慢性心不全
※慢性心不全に対する標準的な治療を受けている患者さんが対象となります。


用法・用量(慢性心不全の場合)

※2型糖尿病合併CKDでの投与方法とは異なります。

腎機能に応じて、以下のように開始用量と増量が設定されています。

eGFRが60mL/min/1.73㎡以上の場合
20mgから投与を開始し、血清カリウム値や腎機能を確認しながら、投与開始から約4週間後を目安に40mgへ増量します。

eGFRが25以上60未満mL/min/1.73㎡の場合
10mgから投与を開始し、状態に応じて、投与開始から約4週間後を目安に20mgへ増量します。

投与中は血清カリウム値や腎機能を定期的に確認しながら慎重に使用します。


科学的根拠(FINEARTS-HF試験)

この適応追加は、FINEARTS-HF試験と呼ばれる第3相臨床試験の結果に基づいています。

この試験では、左室駆出率40%以上、腎機能が保たれた慢性心不全患者さんを対象に検討が行われました。

その結果、フィネレノンの投与により、心血管死および心不全による入院や緊急受診を含む心不全イベントが、統計学的に有意に減少することが示されました。


糖尿病・腎臓病を合併している方へ

心不全診療ガイドラインでは、2型糖尿病と慢性腎臓病を合併している患者さんに対して、心不全の発症予防を目的としてフィネレノンの使用が強く推奨されています。

フィネレノンは、心不全の治療だけでなく、将来的な心不全予防の観点からも重要な薬剤です。


当院での取り組み

久我山ハートクリニックでは、最新のガイドラインと科学的根拠に基づいた心不全治療を行っています。

心不全と診断されている方、息切れやむくみが気になる方、糖尿病や腎臓病をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

 

参考文献:Solomon SD, et al. N Engl J Med. 2024;391:1475-85.