ワインと「地中海食」は心血管・死亡リスクにどう関係する?
🍷 ワインと「地中海食」は心血管・死亡リスクにどう関係する?
スペイン2つのコホート研究からの知見
🧪 研究背景
地中海食(MedDiet)は心血管病予防で効果があることが広く認められていますが、その中のワインの役割は議論があるポイントです。
この研究は、スペインの2つの大規模集団を使い、
➡ ワインを含めた地中海食と
➡ 地中海食のみ(ワインなし)
の心血管疾患(CVD)および全死亡リスクとの関連を評価しました。
対象となった集団:
✔ 高リスク者中心の PREDIMED試験(約7,400人)
✔ 若年・一般集団の SUNコホート(約23,000人)
📊 主な結果
① 地中海食+ワイン摂取は死亡リスクを低下
-
PREDIMED試験(中央値約5年の追跡)では、
ワインを含めた地中海食のグループで、
➡ 心血管イベント発生率が 約45%低下 を示した層がありました(特に男性)
➡ 長期(〜17年)追跡では全死亡リスクが約33%低下 しました。
② 若年一般集団では関連が弱い傾向
-
SUNコホート(約22年追跡)では、
地中海食+ワインでの傾向は見られたものの、統計的に有意ではありませんでした。
③ まとめて解析した結果(両コホート)
2つのコホートを合わせた統合解析では、
➡ 地中海食+ワイン摂取群で全死亡リスクが有意に低いという結果でした。
(心血管イベントについては有意な差は示されませんでした)
🩺 解釈のポイント
✔ ワイン「単独の効果」ではない
ワインは地中海食の一部として評価されたもので、
→ 食事全体の良好なパターンと死亡リスク低下の関連が示唆されました。
✔ 過度の飲酒は効果なし
ワインを 3杯/日以上 飲む群ではリスク低下は見られず、
低〜中程度の飲酒の範囲が対象です。
✔ 観察研究の限界
ワイン飲酒は生活習慣や社会的背景とも関連しており、
すべての交絡要因が除去されているわけではありません。
🧠 臨床・公衆衛生への示唆
📌 地中海食自体の心血管保護効果は再確認された
📌 その一部としての「低〜中程度のワイン摂取」は
➡ 主要な心血管病リスク低下よりも
➡ 全死亡リスク低下との関連がよりはっきり見える
という結果でした。
ただし、糖尿病患者やアルコールに弱い方、高リスク例では
飲酒開始や増加は推奨されません。
ガイドラインに従い、個別のリスク評価が重要です。
📌 結論(簡潔)
✔ 地中海食をきちんと守ることは心血管健康に良い
✔ その中での「適度なワイン摂取」は全死亡リスク低下と関連
✔ しかし観察研究のため因果関係は確定せず、
推奨には慎重な判断が必要です


