帯状疱疹ワクチンで認知症が減るかも(Lancet Neurologyより)
帯状疱疹ワクチンで認知症が減る可能性
最新研究(Lancet Neurology 2026)
カナダで行われた大規模研究で、帯状疱疹ワクチンが認知症の発症を減らす可能性が報告されました。
研究の概要
カナダ・オンタリオ州では、
生まれた年によって帯状疱疹ワクチンの公費対象が分かれる制度がありました。
研究者はこの制度を利用し、
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ワクチン接種対象の人
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接種対象ではない人
を比較し、認知症の発症率を調べました。
対象は
約46万人の高齢者です。
研究結果
帯状疱疹ワクチンの対象だった人は、
約5.5年間の追跡で
認知症の新規発症が約2%少ない
という結果でした。
また、
ワクチン制度のある地域とない地域を比較しても
ワクチン対象世代で認知症発症が少ない
という結果が確認されました。
なぜ帯状疱疹ワクチンで認知症が減る可能性があるのか?
完全に解明されたわけではありませんが、現在いくつかの理由が考えられています。
① ヘルペスウイルスと認知症の関係
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)の再活性化で起こります。
このウイルスは神経に潜伏する性質があり、
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神経の炎症
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アミロイドβの蓄積
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タウ蛋白のリン酸化
など、アルツハイマー病に関係する変化を引き起こす可能性が実験研究で示されています。
そのため、ワクチンでウイルスの再活性化を防ぐことが、神経へのダメージを減らす可能性が考えられています。
② 脳の慢性炎症を抑える可能性
高齢になると、ウイルスの再活性化や免疫反応によって
脳の慢性炎症(neuroinflammation)が起こりやすくなります。
帯状疱疹ワクチンによって
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ウイルス再活性化の抑制
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免疫反応の調整
が起こり、脳の炎症を減らす可能性も指摘されています。
③ ワクチンによる免疫機能の改善
ワクチンには、特定の感染症予防だけでなく、
免疫系全体の働きを整える効果(免疫調整作用)
がある可能性も指摘されています。
このような免疫への良い影響が、
加齢に伴う神経変性の進行を抑える可能性も研究されています。
まとめ
帯状疱疹ワクチンは
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帯状疱疹の予防
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帯状疱疹後神経痛の予防
だけでなく、
将来的に認知症の発症を遅らせる可能性も示されています。
もちろん、認知症予防には
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運動
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食事
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血圧・糖尿病管理
なども重要ですが、ワクチン接種も健康寿命を守る一つの手段と考えられます。
当院でも帯状疱疹ワクチン接種を行っています
当院でも帯状疱疹ワクチンの接種を行っています。
年齢や持病によって適したワクチンが異なるため、接種をご希望の方はお気軽にご相談ください。


