男性は女性より心臓病を「約7年早く」発症する(JAHAより)
男性は女性より心臓病を「約7年早く」発症する
― 若い世代から考える心血管病予防 ―
心筋梗塞や狭心症、心不全、脳卒中といった心血管疾患は、日本でも主要な死亡原因の一つです。
一般に「女性は閉経後に心臓病が増える」「男性の方が心臓病が多い」と言われますが、
実際に“何歳頃から差が出るのか”を長期間にわたって調べた研究は多くありませんでした。
今回、米国心臓協会の学術誌
Journal of the American Heart Association(JAHA) に、
この疑問に答える大規模研究が報告されました。
どんな研究?
この研究は、CARDIA研究と呼ばれる米国の有名な前向きコホート研究のデータを用いています。
-
対象:18〜30歳で登録された約5,000人の男女
-
追跡期間:30年以上
-
評価した疾患
-
冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)
-
心不全
-
脳卒中
-
これらを含む「心血管疾患全体」
-
若い頃からの血圧、コレステロール、血糖、喫煙歴、体格などを詳細に記録し、
心血管疾患が初めて起こった年齢 を男女別に比較しました。
主な結果①:心血管疾患の発症は男性の方が早い
研究の結果、非常に明確な差が示されました。
-
心血管疾患全体の発症年齢は、男性が女性より約7年早い
-
この差は、30代後半から40代にかけて徐々に明確になります
つまり、
女性ではまだ発症が少ない年代でも、
男性ではすでに心血管疾患が現れ始めている ということです。
主な結果②:冠動脈疾患では差がさらに大きい
特に注目すべきなのが、**冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)**です。
-
冠動脈疾患の発症は
男性が女性より約10年早い
心筋梗塞は「突然起こる病気」というイメージがありますが、
実際には動脈硬化が長年かけて進行した結果として発症します。
この研究結果は、
男性では20〜30代から動脈硬化がより早く進みやすい 可能性を示唆しています。
なぜ男性は早く発症するのか?
研究では、
-
血圧
-
コレステロール
-
糖代謝
-
喫煙
-
BMI(体格)
といった従来の危険因子を統計学的に調整しています。
それでもなお、
男性の方が早く心血管疾患を発症する傾向は残りました。
これは、
-
ホルモンの影響
-
血管や心筋の加齢変化の違い
-
リスク因子に対する感受性の差
など、単純な生活習慣だけでは説明できない要素が関与している可能性を示しています。
この研究が示す大切なメッセージ
この研究から読み取れる重要なポイントは、
✔ 心臓病の予防は「中高年から」では遅いことがある
特に男性では、
30〜40代ですでに将来の心臓病リスクが形作られている 可能性があります。
✔ 症状がなくても、リスク評価は重要
心血管疾患は、
-
痛み
-
息切れ
-
動悸
などの症状が出る前から、静かに進行します。
「症状がない=心臓が健康」とは限りません。
当院からのメッセージ
当院では、
「病気を見つける医療」だけでなく、
「病気になる前に防ぐ医療」 を大切にしています。
-
血圧やコレステロールの評価
-
健診異常のフォロー
-
動悸・息切れ・胸部違和感の相談
-
心電図・心エコー検査による評価
-
生活習慣改善の具体的なアドバイス
を通じて、将来の心血管疾患リスクを総合的に評価します。
「まだ若いから大丈夫」と思っている方こそ、
一度ご自身の心臓の状態を見直してみてください。


