登録不要24時間対応中 お電話の前にまずはAIにご相談ください
TOPへTOPへ

ブログ

痛風では尿酸値を6 mg/dL未満まで低下させると心血管イベント減少する

心不全  / 心筋梗塞、狭心症  / 脳血管障害  / 高尿酸血症

痛風治療薬による血清尿酸管理が心血管イベントリスクを低減

痛風の患者に対する尿酸降下療法が心血管イベント抑制に寄与するかについては、長らく議論が続いてきました。従来の疫学研究や観察研究では、痛風や高尿酸血症が心血管疾患リスクの上昇と関連することが一貫して示されてきましたが、尿酸値を下げること自体が心血管イベントを減少させるかについては、エビデンスが限定的でした。

過去のランダム化比較試験(RCT)では、尿酸下げることによる心血管イベント抑制効果は明確に示されていません。また、フェブキソスタットとアロプリノールの比較試験(CARES試験)では、むしろフェブキソスタット群で心血管死亡率が高い傾向が認められ、FDAはフェブキソスタットに対してブラックボックス警告を発出していました。一方、FAST試験では両薬剤間で心血管イベント発生率に有意差は認められませんでした。

観察研究やメタ解析では、アロプリノールによる心筋梗塞や複合心血管イベントのリスク低減が示唆されていますが、エビデンスの質は低~中程度であり、十分な結論には至っていませんでした。また、尿酸降下療法の心血管予防効果は、炎症負荷の軽減や血管内皮機能改善などが関与している可能性があるが、直接的な因果関係は不明でした。

2026年1月26にJAMAに今回報告された論文では、新たな大規模コホート研究で、痛風患者において血清尿酸値を目標値(6 mg/dL未満)まで低下させる治療が、心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中など)のリスクを有意に下げることを示しました。

Treat-to-Target Urate-Lowering Treatment and Cardiovascular Outcomes in Patients With Gout. JAMA Intern Med Published Online: January 26, 2026 doi: 10.1001/jamainternmed.2025.7453

この研究では、イングランドの臨床医療データベース(Clinical Practice Research Datalink Aurum)から約109,500人の痛風患者のデータを用い、尿酸低下治療(ULT)開始後1年以内に血清尿酸値を6 mg/dL未満に達した群(T2T群)と、達しなかった群(非T2T群)を比較しました。

🔍 主な結果

  • 5年間の主要心血管イベントリスクが低下
    目標尿酸値<6 mg/dLを達成した群では、達成しなかった群と比べて心血管イベントの発生リスクが約9%低いことが示されました。

  • 尿酸値をさらに下げた場合(<5 mg/dL)にはより大きな利益
    より低い目標(5 mg/dL未満)を達成した群では、心血管リスク低下効果がさらに大きく(ハザード比約0.77)認められました

  • 痛風発作の頻度も減少
    目標尿酸値を達成した患者は、痛風発作の回数も減少しました。負のコントロール結果(関連性のない疾患)は差がなかったため、観察された効果は治療の効果と考えられます。

🧾 研究の意義

痛風は高尿酸血症に伴い関節痛だけでなく、心血管疾患リスクが高いことが知られています。本研究は、尿酸値を治療目標まで下げることが心臓病や脳卒中のリスク低減につながる可能性があることを示し、臨床における痛風管理の意義を再確認するものです。

 

私見

これまで尿酸値を下げるだけで心血管イベントが減少するというデータは限定的でしたが、今回の大規模コホート研究は「痛風患者において目標尿酸値(6 mg/dL未満)を達成することが心血管イベントリスク低減に有益である」ことを示した重要なエビデンスです。RCTによる因果関係の証明やメカニズム解明は今後の課題ですが、痛風患者の長期管理においてT2Tアプローチの意義が強く支持される結果と評価できます。

治療薬としてはアロプリノールが第一選択であり、米国では最大800 mg/日までFDAが承認しています。CARES試験の結果あるためフェブキソスタットはアロプリノール不耐・無効例に限定されます。アメリカではフェブキソスタットにFDAが警告出していますが日本ではあえて出していないんですね、FAST試験で問題なかっとはいえCARES試験では心血管死亡増えているんですが日本の薬だからですかね、このあたりはグレーなので深入りはしないようにしましょう。薬剤選択において心血管安全性の観点からは、基本的にはアロプリノールが推奨されます。