糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬と「足の合併症」について
糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬と「足の合併症」について
― 最近の研究からわかってきたこと ―
■ 糖尿病と「足のトラブル」
糖尿病が長く続くと、
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足の血流が悪くなる
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傷が治りにくくなる
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潰瘍や壊疽、最悪の場合は切断が必要になる
といった 重い足の合併症(重篤な下肢イベント) を起こすことがあります。
こうした方は、心臓病や腎臓病、死亡リスクも高いことが知られています。
■ GLP-1受容体作動薬とは?
GLP-1受容体作動薬は、
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血糖値を下げる
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体重を減らす
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心臓や血管を守る
といった効果が期待される糖尿病治療薬です。
(例:リラグルチド、デュラグルチド、セマグルチド など)
■ 最新の研究でわかったこと
過去に 重い足の合併症を経験した糖尿病患者さん を対象に、
GLP-1受容体作動薬を使った場合と、
他の糖尿病薬(DPP-4阻害薬)を使った場合を比較した大規模研究が行われました。
その結果、GLP-1受容体作動薬を使用していた患者さんでは:
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✅ 足の重篤なトラブルの再発が少ない
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✅ 足の切断(アミュテーション)が少ない
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✅ 心筋梗塞や脳卒中が少ない
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✅ 心血管死亡・全死亡が少ない
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✅ 人工透析へ進行するリスクが低い
ということが示されました。
■ 何が大切なのか?
この研究が示しているのは、
GLP-1受容体作動薬は「血糖を下げる薬」にとどまらず、
足・心臓・腎臓、そして命を守る可能性がある という点です。
特に、
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すでに足の血流障害がある
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潰瘍や手術の経験がある
といった リスクの高い患者さんにおいて重要な選択肢 になる可能性があります。
■ 当院からのメッセージ
糖尿病治療は、
「血糖値の数字」だけでなく、
将来の合併症を防ぐこと がとても大切です。
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、
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お薬の選択
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生活習慣の改善
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足のチェックや予防
を総合的に考えていきます。
気になる症状や治療について、どうぞお気軽にご相談ください。


