高血圧ガイドライン2025が発表されました
高血圧の新しいガイドラインが発表され降圧目標が変わりました
内容を見てみましょう
Key highlights of the Japanese Society of Hypertension Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension 2025 (JSH2025)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40877471/
新しい高血圧ガイドライン2025
~血圧は130/80未満を目指しましょう~
日本高血圧学会から「高血圧治療ガイドライン2025(JSH2025)」が発表されました。
今回のガイドラインでは、血圧の目標値や生活習慣の工夫 が新しく整理されています。
血圧の新しい目標
これからは 「すべての人に130/80mmHg未満」 を目指すことになりました。
130〜139/80〜89mmHg は「高めの血圧」とされ、放置せずに生活改善や経過観察が必要です。
家での血圧測定が大切です
病院だけでなく、家庭で測る血圧 が治療の中心になります。
家庭での目標は 125/75mmHg未満。
毎日同じ時間に測り、記録しておくと診察の際に役立ちます。
生活習慣でできる工夫
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塩分を控える:1日6g未満を目標に
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野菜や果物を意識して食べる(カリウムを多く含む食品が有効)
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運動:ウォーキングなどの有酸素運動+軽い筋トレ
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体重管理:BMI25未満を目安に
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お酒は控えめに:男性20〜30mL、女性10〜20mLまで
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禁煙・十分な睡眠・ストレス対策 も忘れずに
薬による治療
必要に応じて薬を使います。
代表的なお薬には
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カルシウム拮抗薬(CCB)
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ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)
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ACE阻害薬
があります。1種類から始め、効果が不十分な場合は2種類・3種類と組み合わせて治療を行います。
特別な配慮が必要な方
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高齢の方:年齢ではなく体の状態に合わせて治療。
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女性:妊娠・更年期などライフステージごとの対応が大切。
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がん治療中の方:抗がん剤などで血圧が上がることがあるため注意が必要。
まとめ
高血圧は自覚症状がなくても、脳や心臓、腎臓にダメージを与えます。
新しいガイドラインでは 「誰でも130/80未満を目指す」 ことが基本になりました。
日々の生活習慣の見直しと、家庭での血圧チェックを続けて、
将来の健康を守っていきましょう。
SPRINT試験などでは冠動脈疾患の二次予防では120mmHg未満となりますが、今回は全員が130/80mmHg未満をまずは目指しましょうという内容になっています。血圧を下げると心血管イベントを下げる代わりに血圧低下や失神、腎機能障害、認知症などが増悪する可能性もあるため患者さん各々で最終的には目標血圧は変わることになります。当院では家庭血圧の測定方法や生活習慣のご相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。