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ジャディアンス、フォシーガ、マンジャロの論文です

糖尿病の薬で中国の四川大学からの論文がBMJ誌に投稿されました

いくつかの論文をまとめたシステマティックレビューとメタアナリシスになります

Medications for adults with type 2 diabetes:a living systematic review and network meta-analysis

https://www.bmj.com/content/390/bmj-2024-083039

 

簡単にまとめさせていただきました

 

 

糖尿病のお薬、どう選べばいい?

最新研究からわかったこと

「糖尿病の薬ってたくさんあるけれど、どれが自分に合っているの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。

最近、世界中の研究をまとめた大規模な調査が発表されました。これにより、糖尿病治療薬の「効果」と「注意点」がよりはっきりとわかってきました。ここでは、その内容をわかりやすくご紹介します。


血糖を下げるだけじゃない、お薬の新しい役割

以前は「血糖値を下げること」が糖尿病治療の中心でした。
しかし今は、心臓や腎臓を守ること、体重を減らすことも治療の大切な目標になっています。


どんな薬が効果的?

1. 命を守る薬

  • SGLT2阻害薬(ジャディアンス、フォシーガなど)

  • GLP-1受容体作動薬(オゼンピック、ビクトーザ、マンジャロなど)

これらは、心臓病や腎臓病で亡くなるリスクを減らすことが証明されました。


2. 腎臓にやさしい薬

  • フィネレノン(ケレンディア)
    腎臓の働きを守り、心不全による入院も減らします。


3. 体重を減らす薬

  • チルゼパチド(マンジャロ) は平均で約 8kg減少

  • その他のGLP-1受容体作動薬も体重を減らす効果があります。


気をつけたい副作用

もちろん、良いことばかりではありません。お薬ごとに特徴的な副作用があります。

  • SGLT2阻害薬:尿路や性器の感染、ケトアシドーシス(重い合併症)、足の切断リスク

  • GLP-1受容体作動薬・チルゼパチド:吐き気や下痢などの消化器症状

  • フィネレノン:血液中のカリウムが高くなる

  • スルホニル尿素薬やインスリン:低血糖になりやすい

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  • 新しい糖尿病薬は、血糖を下げるだけでなく、心臓・腎臓を守り、体重も減らせる可能性があります。

  • しかし、それぞれの薬には副作用のリスクもありますのでどのお薬が一番良いかは、人によって異なります。

  • 当院でもジャディアンス、フォシーガ、マンジャロを多く使用しているのはこのようなデータも出ているためです。
  • ただ臓器障害の程度によって使用できるかどうか変わってきますので、適宜ご相談しながら決めていきましょう。
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久我山ハートクリニック 今村泰崇