AI搭載デジタル聴診器で弁膜症の早期発見が可能に
🩺 AI搭載デジタル聴診器で弁膜症の早期発見が可能に
― European Heart Journal – Digital Health(2026年)より ―
2026年にEuropean Heart Journal - Digital Healthに掲載された研究で、AI(人工知能)を搭載したデジタル聴診器が、従来の聴診よりも心臓弁膜症を高い精度で見つけられることが報告されました。
自分の研修の熊本大学の友人がまさに「超聴診器」という聴診器の会社を立ち上げています。
循環器以外の方でも心臓疾患を見逃さないようにと、熊本の地震の際に多くの方の診察をされる際にどれだけそれが必要なことなのかを実感して作っています。
今回の論文は海外の文献ですが日本で誰よりも早く聴診器に革新をもたらした医師だと思います。
■ 背景:弁膜症は“見逃されやすい”
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65歳以上の2人に1人以上に何らかの弁膜症があるとされています
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中等度以上の弁膜症は約6%
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しかし 半数以上は無症状
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従来の聴診での感度は約44%(経験ある医師でも見逃しが多い)
弁膜症は進行すると、
心不全・不整脈・入院・死亡リスクの上昇につながります。
そのため「早期発見」がとても重要です。
■ 研究の概要
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対象:50歳以上の357人(高血圧・糖尿病・心房細動などリスクあり)
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比較:
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🩺 従来の聴診(通常の聴診器)
🤖 AI搭載デジタル聴診器 -
判定基準:心エコー検査で中等度以上の弁膜症を確認
■ 結果:AIで感度が大幅向上
🔎 可聴性のある弁膜症の検出
| 従来聴診 | AI聴診 | |
|---|---|---|
| 感度 | 46.2% | 92.3% |
| 特異度 | 95.6% | 86.9% |
👉 見逃しが大きく減少(ほぼ2倍の検出率)
さらに、
これまで未診断だった重症弁膜症を12例発見
(従来法では6例)
■ メリットと注意点
✅ メリット
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無症状の弁膜症を早期発見できる可能性
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かかりつけ医レベルでスクリーニング強化
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心不全などへの進行を防げる可能性
⚠ 注意点
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偽陽性(実際は異常なし)がやや増加
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心エコー紹介が増える可能性
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費用対効果の検証は今後の課題
■ 今回の研究の意義
AIデジタル聴診器は、
「聴診の精度を底上げするツール」 として期待されています。
特に、
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高齢の方
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高血圧・糖尿病のある方
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心房細動のある方
では、早期発見のメリットが大きいと考えられます。
🏥 まとめ
✔ 弁膜症は高齢者に多く、無症状でも進行する
✔ 従来の聴診だけでは見逃しが多い
✔ AI搭載デジタル聴診器で検出率が大きく向上
今後、プライマリケアでの活用が進めば、
より早い段階で適切な治療につなげられる可能性があります。
医療はAIを導入してどれだけ医療資源を減らしつつ、どれだけ患者さんの予後に繋げることが出来るかがとても大事になってきています。


