GLP-1受容体作動薬・次世代インクレチン製剤(Lancetより)
GLP-1受容体作動薬・次世代インクレチン製剤
今回はLancetからGLP-1受容体作動薬について1月14日に出たばかりのレビューになります。GLP-1受容体作動薬が単なるダイエット薬ではなく多くの臓器保護効果のある薬であることが改めて述べられています。
参考文献
― 糖尿病・肥満だけでなく、心臓・腎臓を守る新しい治療 ―
近年、「GLP-1受容体作動薬」や「GIP/GLP-1受容体作動薬(例:チルゼパチド)」といったインクレチン関連薬は、糖尿病治療を大きく変えただけでなく、心臓病や腎臓病の予防・改善にも効果がある治療として注目されています。
① 血糖コントロールと体重減少に高い効果
これらの薬は、
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血糖値(HbA1c)をしっかり下げる
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低血糖を起こしにくい
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食欲を抑え、体重減少を促す
といった特徴があり、2型糖尿病や肥満の治療で高い効果が確認されています。
② 心筋梗塞・脳卒中・心不全を減らす
大規模臨床試験の結果から、
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心筋梗塞
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脳卒中
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心血管死
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心不全による入院
といった重大な心血管イベントを10〜30%程度減らすことが示されています。
これは「血糖を下げるだけ」でなく、血圧・脂質・炎症・血管機能を総合的に改善する作用によるものと考えられています。
③ 腎臓を守り、透析リスクを下げる
GLP-1関連薬は、
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尿タンパク(アルブミン尿)を減らす
-
腎機能(eGFR)の低下を遅らせる
ことがわかっており、慢性腎臓病(CKD)の進行抑制にも有効です。
特にセマグルチドでは、腎不全や心血管死を含む複合エンドポイントを約25%低下させた試験結果が報告されています。
④ 肥満に伴うさまざまな病気にも効果
体重減少効果により、以下のような疾患でも改善が報告されています。
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心不全(特にHFpEF:左室駆出率が保たれた心不全)
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脂肪肝(MASLD/MASH)
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睡眠時無呼吸症候群
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変形性膝関節症
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糖尿病への進展予防(前糖尿病)
⑤ さらに進化する次世代治療
現在は、
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GIP+GLP-1
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GLP-1+グルカゴン
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3つの受容体に作用する薬
など、より強い体重減少・心腎保護効果を目指した次世代薬の開発も進んでいます。
一方で、吐き気などの消化器症状や筋肉量低下への配慮も重要とされ、ゆっくり増量する安全な使い方が推奨されています。
マンジャロ(チルゼパチド)による当院での自由診療について
― 体重管理から、心血管イベント予防へ ―
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、
GIP受容体とGLP-1受容体の2つに作用する世界初の治療薬です。
従来のGLP-1受容体作動薬よりも体重減少効果が高く,
同時に血糖・血圧・脂質・炎症を総合的に改善することが報告されています。
最新の大規模臨床研究では、マンジャロは
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強力な体重減少効果
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心不全の悪化や入院リスクの低下
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動脈硬化性心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)の予防効果
が期待できる治療として位置づけられています。
「痩せる薬」ではなく「心臓を守る治療」
体重増加は、
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高血圧
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脂質異常症
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糖尿病
-
心不全
を悪化させ、将来の心血管イベントの大きな原因となります。
マンジャロによる体重減少は、見た目の変化だけでなく、
心臓への負担そのものを減らす治療です。
このような方に適しています
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体重増加により、高血圧・脂質異常症・糖尿病予備群を指摘されている方
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心不全・狭心症・心筋梗塞など、心血管疾患の再発を予防したい方
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食事や運動を頑張っても体重がなかなか減らない方
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将来の心筋梗塞・脳卒中リスクを下げたいと考えている方
当院のマンジャロ自由診療の特徴
久我山ハートクリニックでは、
単に体重を減らすことを目的とせず、
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循環器専門医が
心機能・血圧・腎機能・併用薬を評価 -
副作用を抑えるための
無理のない段階的な用量調整 -
体重だけでなく
血圧・脂質・心不全症状を含めた総合管理
を行い、安全性を最優先した治療を提供しています。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 自由診療なのはなぜですか?
マンジャロやリベルサスなどは、肥満や体重管理目的での使用は施設基準がありますが総合病院でしか現在は施設認定がとれないため、クリニックでは施設基準から外れてしまいます。また保険適応の条件に関しても半年間2か月に1度の栄養指導を受けたうえで減量が出来ない方が保険適応となります。当クリニックではご自身で十分に食事や運動を行っても減量できない方や、半年間の栄養指導を待つだけの時間がない方など、保険適応でなくても使用したいという方に自由診療としてご案内しています。
その分、早く使用することや投与量や治療方針を個別に調整できるメリットがあります。
Q2. 副作用はありますか?
主に治療初期に、
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吐き気
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胃もたれ
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食欲低下
などの消化器症状が出ることがあります。
当院では少量からゆっくり増量することで、
多くの方が無理なく継続できています。
Q3. 心臓や腎臓に負担はありませんか?
むしろ、
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心不全の悪化抑制
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腎機能低下の進行抑制
といった心臓・腎臓を守る効果が報告されています。
循環器専門医が管理することで、より安全に使用できます。
Q4. どのくらい体重は減りますか?
個人差はありますが、
臨床試験では10〜20%前後の体重減少が報告されています。
重要なのは、体重だけでなく
血圧・血糖・脂質・心臓への負担が同時に改善する点です。
Q5. やめるとリバウンドしますか?
中止すると体重が戻りやすい傾向はあります。
そのため当院では、
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生活習慣の見直し
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維持期を見据えた治療設計
を重視しています。
Q6. 誰でも使えますか?
すべての方に適しているわけではありません。
重い消化器疾患のある方などは注意が必要です。
診察で適応をしっかり判断したうえで導入しますのでご安心ください。
ご相談ください
マンジャロ(チルゼパチド)自由診療は、
体重管理を通じて、将来の心血管イベントを予防する治療です。
「痩せたい」だけでなく、
「心臓を守りたい」「将来のリスクを下げたい」
そうお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。


