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JACCに報告された高血圧の論文になります、しっかり降圧が大事です

高血圧の治療は「早めに・しっかり」が大切です

〜STEP試験6年間の追跡結果から〜

掲載論文:
Intensive Blood Pressure Control in Older Patients With Hypertension: 6-Year Results of the STEP Trial
(JACC:Journal of the American College of Cardiology, 2025年)
研究代表:Qirui Song, Jun Cai ほか(北京安貞病院・中国)


研究の概要

中国で行われた大規模な臨床研究「STEP試験」では、60〜80歳の高血圧患者8,500人以上を対象に、
血圧をどのくらいまで下げると心臓や脳の病気を防げるかを比較しました。

患者さんを2つのグループに分け、

  • 厳格治療群:収縮期血圧を 110〜130mmHg未満 にコントロール

  • 標準治療群:収縮期血圧を 130〜150mmHg未満 にコントロール

この治療を続けて、6年間にわたって経過を観察しました。


結果

  • 厳格治療を続けた方は、
    脳卒中や心筋梗塞、心不全などの発症が約18%少なくなりました。

  • 特に脳卒中の予防効果が明確に見られました。

  • 副作用では低血圧(立ちくらみなど)がやや増えましたが、
    重大な副作用の差はほとんどありませんでした。

  • また、シミュレーション解析では、
    早い時期に厳格な血圧治療を始めた人ほど、心血管病を防ぐ効果が大きいことも示されました。


この研究からわかること

高血圧の治療は、「早めに始める」「きちんと目標値まで下げる」ことが大切です。
血圧をしっかりコントロールすることで、
脳卒中や心臓病のリスクを長期的に減らすことができることが確認されました。

久我山ハートクリニックでも、患者さん一人ひとりの年齢や体調に合わせて、
安全かつ効果的な血圧管理をサポートしています。
無理のない範囲で、できるだけ早い段階から「しっかりとした血圧コントロール」を始めましょう。