RSウイルス感染は心血管イベントのリスクを上昇させる
RSウイルス感染後、1年間にわたり心血管イベントのリスクが上昇
― インフルエンザと同程度の影響が明らかに ―
RSウイルスは、これまで小児の感染症として知られてきましたが、近年は中高年・高齢者においても重要な感染症であることが分かってきています。
2025年に発表された大規模研究では、RSウイルス感染後は、感染直後だけでなく「その後1年間」にわたり、心臓や血管の病気が増えることが明らかになりました。
2025年12月8日にJAMAに掲載されています。
研究のポイント(デンマーク全国データ・約1万7千人)
-
対象:45歳以上の成人
-
比較:RSV感染あり vs なし(年齢・性別・基礎疾患を一致させて比較)
-
追跡期間:感染後365日(1年間)
主な結果
-
RSウイルス感染者では、1年以内の心血管イベントが約5%多く発生
-
100人あたり 約5人分の心血管イベントが“上乗せ”
-
-
増えた主な病気:
-
不整脈
-
心不全
-
心筋梗塞
-
脳卒中
-
-
このリスク増加は
👉 インフルエンザ感染後とほぼ同程度
特にリスクが高かったのはこんな方
以下の方では、心血管イベントの増加がより顕著でした。
-
RSウイルスで入院を要した方
-
高齢の方(特に85歳以上)
-
もともと心臓病をお持ちの方
-
糖尿病のある方
一方で、若年層や基礎疾患のない方でも、リスクがゼロになるわけではない点も重要です。
なぜRSウイルスが心臓に影響するの?
呼吸器感染症は、
-
強い炎症
-
血栓ができやすい状態
-
心臓への負荷増大
などを通じて、心血管イベントの引き金になることが知られています。
RSVもその例外ではなく、急性期を過ぎても影響が続くことが今回の研究で示されました。
注目される「RSVワクチン」
このような背景から、RSウイルスワクチンは「肺炎予防」だけでなく、「心臓を守るワクチン」としても注目されています。
RSVワクチンにより期待される効果:
-
RSV感染そのものの予防
-
重症化・入院の予防
-
感染をきっかけとした心不全・不整脈・心筋梗塞などの抑制
近年、高齢者向けRSVワクチンが実用化され、予防医療の選択肢が広がっています。
心臓を守る予防医療を
RSウイルスは「かぜ」では終わらないことがあります。
ワクチンによる予防と、循環器専門医による早めの評価が、将来の心血管イベントを防ぐ鍵になります。
RSウイルスワクチン接種、感染後の体調変化、心臓病のご相談は、循環器専門クリニックである当院へお気軽にご相談ください。
当院ではRSウイルスワクチン接種が可能です
当院では、RSウイルスワクチンの接種を行っています。
-
対象:主に高齢者・基礎疾患をお持ちの方
-
循環器専門医の立場から、
-
心臓病のある方
-
心不全・不整脈・動脈硬化リスクの高い方
には、心血管イベント予防の観点からもRSウイルスワクチンを積極的に検討しています。
-
※ 接種対象や費用、予約方法については、お気軽に当院までお問い合わせください。


